こんにちは、我流卓球理論のSHUNです。
先日、一日中サーブ練習をして思ったことがあります。やっぱサーブってすごい大事ですね!当然のことなんですけどね。
というか、試合で我流選手が手っ取り早く勝つためにはサーブを磨くことが一番楽なんですよね(笑)。
というわけで、今日は卓球における勝つためのサーブの考え方と、勝つためのサーブの組み立て方をまとめてご紹介したいと思います。
では、解説モードに切り替えます(笑)。
もくじ
勝つためのサーブの考え方
実は、プラスチックボールになって、サービスエースを取ることが難しくなった。
だから、現代卓球においてはレシーブ側の強打を防ぎ、いかに3球目攻撃を有利に導くか?という視点が非常に重要だ。
サーブと3球目攻撃と言うのは、切っても切り離せない戦術的な関係性がある。
サーブが強力であるほど相手のレシーブは甘くなるし、相手のレシーブが甘くなるほどこちらは3球目攻撃がしやすくなる。
しかも、「3球目攻撃が強力だ」と相手の頭に植え付けられれば、その分相手はレシーブを厳しくしようとしてレシーブミスも増えるのだ。
まさに好循環。
この、3球目攻撃を意図的にやりやすくすると言うのがサーブの重要なポイントであり、そのためには効果的なサーブの配球を組み立てる必要がある。
3球目攻撃や試合を組み立てやすくするには、岸川聖也さんの書いた本などを見て、王道の3球目攻撃パターンを覚えることも役に立ちます。
勝つためのサーブの組み立て方
筆者がサーブを組み立てる際に考えているポイントを、重要度の高い順番で並べてみよう。
①コース
②スピン
③スピード
④モーション
以上の4つだ。
①どのコースに②どの回転を③どのくらいの速さで④どのモーションで出すのか?を組み合わせるのだ。
4つの要素を組み合わせる時には、それぞれの要素が持つ特性を知ることがとても重要だ。これらを一つ一つ解説していく。
1.コース:相手を大きく動かし、揺さぶる
筆者がサーブを出すときは、フォア前とバック深にサーブを散らすことを意識している。こうすることで、相手を大きく動かすことになり、レシーブの反応を遅らせることが可能だからだ。
この図を参考にしてほしい。
フォア前とバック深は距離的に非常に遠い位置にあることがお分かりいただけただろうか。
この長い距離を活かして、相手を大きく揺さぶるのだ。
例えば、相手がフォア前のショートサーブを待っているところに、バック深くにロングサーブを出す。それだけで、相手のレシーブは苦しくなるし、こちらの3球目攻撃がしやすくなる。
もちろん、バック前とフォア深といった組み合わせでもかまわない。相手に的を絞らせないようにし、なおかつ大きく揺さぶることが大切だ。
逆に、自分の出しやすいコースだけにサーブを集めてしまっては、それだけ相手に読まれやすくなってしまう。自分のパターンを展開しづらくなってしまうから、気をつけよう。
ちなみにミドルへのサーブは、相手のレシーブも厳しくなりづらいが、自分が思い切り打てる可能性も減る。安全に攻めたい時に有効な手段と言えるだろう。
2.スピン:強烈な下回転サーブを相手に意識させる
実は、最も相手の印象に残るサーブというのが切れた下回転系のサーブである。下回転系サーブは、サーブの組み立てには必須の回転であるといえる。
筆者が組み立ての基本にしているのが横下回転サーブだ。この横下回転が切れているほど、相手はネットミスを恐れるようになる。
「この選手には、切れた下回転サーブがある」と思わせることができれば、しめたものだ。その瞬間、びっくりするほどナックルサーブが効くようになる。
切れた下回転系のサーブがあるからこそ、他のサービスの効き目が大きくなるのだ。
逆に、切れた下回転系のサーブがないとフリックやチキータ、ドライブなど返す打法が限定されるため相手に心理的余裕が生まれてしまう。
つまり、下回転が切れていないとバレた瞬間、こちらはその試合において常に後手に回ることとなる。これでは、何をしても先手を取られるこちらの心理的負担も大きい。
たとえ、スピード系ロングサーブを主体にしている選手であっても、切れた下回転系のサーブは持っていた方がよい。切れた下回転を何球か相手に見せるだけで、その試合の戦いやすさは天と地ほどの差がある。
何度も言うが、下回転サーブが一番重要である。
効率よくサーブを効かせたいのであれば、「下回転系のサーブ+その他の回転」が非常に有効であることを頭に入れておこう。
下回転サーブの有用性は、水谷隼選手の1番最初の著書にも書かれています。
3.スピード:相手の意表をつく
相手の意表を突くためには、サーブのスピードを変えるのが有効だ。
例えば、こちらが通常の速度の短いサーブを出したとしよう。
すると相手は最近流行のチキータを狙ってくる場合が多い。このタイミングでいきなりスピードのある速いサーブを出せば、相手は確実につまり当てるだけのレシーブになるだろう。
スピンの項目と同じように、「この選手には速いロングサーブがある」と思わせればしめたものだ。
相手は速いロングサーブに注意を払わなくてはいけないから、こちらのスピン系サーブをチキータで待ちづらくなったり、サーブそのものの効き目も大きくなる。
そして少々リスキーだが、右対右の試合であればフォアへの速いロングサーブは大きな武器になる。
速いサーブをクロスではなくストレートに出せるというのは、それだけでけん制になるし、相手とすれば非常に厄介だ。
スピードに関しては、野球でいうストレートと変化球を意識するとよい。野球でも速い直球と変化球を配球の軸にしている。
変化球がどんなに優れていてもそればかり投げていては、簡単に読まれてしまう。それは、卓球におけるサーブにも、全く同じことが言えるだろう。
4.モーション:同じモーションからさまざまな異種サーブを繰り出す
これまで紹介した①~③の要素を実践するにあたり、
いくらコースを絞らせないようにしても、
間違いなく、
インパクトをしても見分けがつかないこと、もしくはインパクト寸前まで、全く見分けがつかないのが理想だ。
さらに、異種サーブを織り交ぜる
また、ご存知の通りサーブのモーションには多くの種類がある。
通常のフォアサーブ、YGサーブ、巻き込みサーブ、
例えば、フォアサーブの下回転を相手がミスすれば、
ケーススタディ:実際に卓球のサーブを組み立ててみよう
上で紹介したサーブの4つの要素を組み合わせる際は常に「
「今の状況は、大きく揺さぶるべきなのか、
今の相手の心理状態はどんな状態なのか?
以下は、筆者の実際のサーブの組み立て方だ。もちろん、
「序盤は固定観念を植え付ける」
試合開始のファーストサーブでは以下の2つのパターンから選択す
①切れた横下回転をフォア前かバック前に出す
②速いロングサーブを台深くに出す
[1の展開パターン事例]
大体は①のパターンが多い。まず意識するべきことは「
何球か同じ横下回転を見せた後、
相手はこの時「切れた横下回転サーブ」か、「
速いロングサーブを意識していると短いサーブへの反応が遅れるし
このように、相手の心理を予測し、コース・スピン・スピードを組み合わせて、
[2の展開パターン事例]
このパターンは、相手のチキータを封じ込めたい時に用いる。
始めから速いロングサーブを出すことで一発を受けることもあるが
一番最初から質の高いロングサーブを受ければ、
後は①のパターンに戻り、コース、スピン、
「中盤には相手の弱点が見つかる」
前述のように相手の心理を探りながらサーブを出していくと、
1セット目が終わる時点で、相手の弱点や苦手そうな所が分かるのだ。そして、2セット目以降はその弱点を徹底的につぶしにかかる。相手がとりづらそうなサーブばかりを徹底的に出すのがポイントだ。
よく、相手の苦手なサーブを終盤までとっておくという選手がいるが、私はまったく逆だ。
逆に考えてみれば分かることだが、嫌なサーブはその試合を通じて嫌なものだ。たった一回の試合で完璧に苦手なサーブに対応しきるのは至難の業である。
筆者は、2-0で追い込まれてから全て同じサーブを繰り出し、勝利したことがある。相手は、筆者のサーブに最後まで対応する事ができなかったのだ。
その経験をして以来、少しでも苦手そうなそぶりをしたら徹底的にそのサーブを繰り出すようにしている。
弱点が見つからなくても、あせらず相手の心理を読み続ける
そもそも、弱点のない選手もいる。
だが、それはそれでいいのだ。なぜなら、相手の弱点は意図的にこちらが作るものだからだ。それこそ、相手に固定観念を植え付ければよい。
「下回転サーブが切れている」と思わせただけで、ナックルサーブが相手の弱点になるし、速いロングサーブがあれば対角線上の短いサーブも弱点になる。さらに同じモーションで縦回転と横回転の見分けがつかなければ、どちらの回転も相手の弱点となるのだ。
このように、自分のサーブをうまく組み合わせることで、相手の弱点を意図的に作っていこう。
ようするに、弱点が見つからなかったら、筆者の場合は序盤のやり方のまま試合をすすめるのだ。
終盤は相手の「安全にいきたい」心理をつく
終盤は、フルセットのデュースを思い浮かべて欲しい。これまでで、自分はどういう展開で点数を取ってきたのかを冷静に分析し、使うサーブを決めるというのが王道であろう。
だが私は違う。
終盤の競った場面では、こちらも緊張してしまうためサーブの回転量やコントロールはどうしても落ちてしまう。そこで、私が使っている戦術がこれだ。
フルセットデュースという緊迫した場面では、安全にいきたいという心理が働く。終盤は相手のこの心理を利用して戦うことにしている。
例えば、相手がチキータの得意な選手であれば、わざとチキータをさせるようなサーブをだす。するともちろん相手はチキータをしてくるだろう。
しかし、チキータの特性上クロスに来ることが多い上に、あいての緊迫した心理状態によって安全なクロスへ無意識に打ってしまうのだ。
これを利用して、そのチキータをカウンター気味にして返すのが私のやり方だ。
緊迫した場面では厳しいサーブを出すのではなく、相手に軽く打たせることによってそれを狙い打ちする。そうすることで、「厳しいサーブを出さなければならない」というプレッシャーからも開放されるし、こちらもやることを決めることができ、迷いが無くなる。
基本的に、フルセットでは心理的に有利になった方が勝つ。勝因も敗因もメンタルの要素が大きいのだ。だからこそ、少しでもこちらの迷いを減らし、心理的負担を減らすことを考えている。
悪い流れを断ち切りたい時に使える、2つのサーブの工夫
試合と言うのは、基本的に全てが自分の思い通りに行くわけではない。相手もバカではないし、こちらの考えも読もうとしてくる。そういったことから、なかなか自分の展開を作れない場合もあるだろう。
そういう悪い試合の流れを変えたい時に使える、2つのサービスの工夫をお伝えしよう。
1.サーブの立ち位置を変えてみる
これは意外と使える。筆者は、試合の流れが思ったように行かない時は、サーブの立ち位置を変えるようにしている。
同じフォアサーブでも、立ち位置を変えるだけで相手に与える印象は全く違うし、それだけで流れを変えてしまうこともあるのだ。
また、良く使うのがフォア側からのバックサーブだ。これを、相手のバック側(つまりストレート)に出すと、相手はガラ空きのクロスに返したくなる。それを狙って回り込んでパワードライブを打つという展開を筆者はよく使う。
このように、思い切ってサーブの立ち位置を変えることによって、試合の流れが大きく変化するのは珍しいことではない。
上手くいかない時の戦術を決めておくことで、本番でもスムーズに切り替えができるようになるはずだ。
2.サーブのタイミングを変えてみる
小さなことだが、ずっと同じタイミングでサーブを出し続けてしまうと、相手にも少なからず慣れが生じてくる。
毎回「1・2・3」のタイミングでサーブを出すのではなく、「1・2・3・4」といったタイミングを織り交ぜることでその慣れを防ぐことができる。
このタイミングをうまく調節するためには、「トスの高さ」を変えるだけで解決する。トスの高さを変えるだけで、相手のタイミングをずらすことができるのだ。
流れを変えたい時には、是非ためしてみてほしい。
サーブ上達のためのオススメの練習法
サーブ上達のためにサーブ練習は必須になることは言うまでもないが、ここでサーブ上達のたった一つの秘訣をお伝えしよう。
それは、「サーブ練習は、コースをストレートに限定して行う」と言うことだ。
理由は2つある。
サーブの難易度が上がる
1つ目の理由は、ストレートの方が距離が短いためサーブの難易度があがるからだ。もしあなたがストレートに短いサーブを出せるようになったら、間違いなくクロスにも出せる。
クロスを練習してからストレートの練習というような、無駄な練習は極力避けるようにしよう(もちろん、意図があってそうするのは構わない)。
ストレートへのサーブそのものが武器になる
2つめの理由がこれだ。特に、速いロングサーブに関してはストレートに出すことができれば驚異的な武器になるのは言うまでもないだろう。
横下回転に関しても、フォア前に出せば非常に効果的なサーブになる。
フォア前にショートサーブを出す習慣は、実際の試合でも大きく役に立つだろう。
ストレートにしっかりとしたサーブを出すことができれば、それだけで相手からの印象は「サーブの上手い人」ということになる。
相手に心理的なプレッシャーを与えることもできるのである。
まとめ
いかがでしたか?
今回のサーブの重要な点をまとめると
①相手の心理を読みながら、それに合わせてコース・スピン・スピード・モーションの4つの要素を色々な組み合わせで出す。
②相手の心理を読みながらサーブを出すと、相手の弱点が見えてくる。そこを躊躇せずに徹底的にそのサーブで攻める。
③終盤では、こちらの心理的負担を軽減するために、相手の心理を利用したプレーを心掛ける。
④流れが悪い時は、サーブの立ち位置を変えたり、タイミングを変えるなど工夫を凝らす。
⑤サーブの練習は、ストレートにコースを限定して行う。
この5つですね。
完全に個人の習慣になってる部分ではありますが、僕が今までに体験したことをリアルに綴ってみました。
なので、多くの我流選手にとっても非常に参考になる内容になっているはずです。何度も読み返して、取り入れられそうなところをご自身のプレーに活かしてみてください。
>>次は、サーブの組み立てにも便利なYGサーブの戦術について!