こんにちは、SHUNです!
一生懸命練習しているのに、あんまり卓球が上達しないと悩んでいませんか?
同じメニューをこなしているのに、どうして強さに差が出てしまうのかと疑問に思ったことはありませんか?
まぁ、過去の僕がそうだったんですよね(笑)
実は、万人に共通して効果の出る練習方法というのは存在しません。人それぞれ課題は違うので、同じ練習メニューをこなしてもどうしても強さに差が出てしまいます。
そこで今回は、全ての人に効果的な卓球が強くなるための手順をまとめてみました。
たとえあなたがどんな課題を持っていたとしても応用できる4つの手順ですので、是非参考にして下さい。
それでは解説モードに移ります!
卓球上達のための4つの手順とは
さて、早速だがあなたは「PDCAサイクル」というものをご存じだろうか。かなり有名な概念であるから、あなたがビジネスマンであればその名前だけは聞いたことがあるはずだ。
P=Plan(計画を立てる)
D=Do(実行する)
C=Check(点検する)
A=Act(改善する)
この「計画を立てる」「実行する」「点検する」「改善する」の一連の流れをPDCAサイクルと呼ぶ。
最後の「改善する」まで行ったらまた次のPDCAサイクルに移行し、この一連の動作の連続によって螺旋状に業務改善を行っていくことを目的とする概念だ。
今回は、このPDCAサイクルを卓球上達のために応用してあなたにお伝えしよう。漠然と練習するよりも大きな練習効果を期待でき、しかも驚くほどにモチベーションがアップする事をきっとあなたも体感するはずだ。
Plan~練習メニューを決める~
まずは、Plan(計画)だ。
実はこの最初のフェーズが上達するかしないかの一番重要なところになる。このフェーズの最終目標は、練習メニューを決めることだが、その前に自分を良く知らなければならない。
なぜなら、自分をしっかりと分析しないと効果的な練習メニューは絶対に組むことができないからだ(もしかするとあなたは今まで無駄な練習ばかりやってきた可能性も無きにしもあらずだ)。
今からお伝えする事をやれば、あなたも自分に必要な練習を見つけ出すことができるはずだ。
1.自分の長所と短所を書きだす
練習というのは、基本的に「長所を伸ばす」もしくは「短所を克服する」のどちらかが目的となる。だからこそ、あなたは自分の長所と短所をしっかりと把握しておかなければならない。
もし、ここを曖昧にしていると全く必要のない見当違いな練習をチョイスし続けることになり、あなたの大切な時間がどんどん奪われていくことになってしまう。もちろん、技術的な進歩もほとんど見られなくなってしまうだろう。
あなたには、今すぐメモ帳を取り出して自分の長所と短所をできる限り書き出してみて欲しい。自分の長所と短所を「見える化(視覚化)」することで頭の中が整理され、自分に足りないものややるべきことがぼんやりとでも見えてくるはずだ。
例えば、「自分の長所のドライブ攻撃を活かすためには、このサーブを練習すればいいな」とか、「自分のこの短所を克服する事ができたら、もっと楽に戦えるよな」と一種の気付きをあなたに与えてくれるのだ。
このように、長所と短所を書き出して頭の中を整理し、あなたの中に課題感がぼんやりとでも見えればOKだ。
2.自分自身が思う、優先して解決するべき課題を3つまで挙げる
自分の長所と短所を書き出したら、あなたもいくつかの気付きを得ることができたはずだ。
次は、その気付きを参考に自分自身が「試合で勝つためにこれは絶対に解決するべきものだ」と感じるものを3つまでチョイスしよう。
「3つまで」というところが重要なポイントで、いくつも上げてしまうと優先順位をつけられなくなる。
やらなくてはいけないことがたくさんあると錯覚しないようにしよう。
また、「自分自身が課題だと思う」というのもとても重要な点になる。
先生や 指導者に言われた課題よりも、自分自身が課題感を自覚することで練習に対する姿勢や効率は何倍もちがってくるのだ。
3.短所の部分は「なぜなぜ論」で本当の根本的な課題を見つける
短所の部分は「なぜなぜ論」で苦手な原因・できない原因を深掘りしていく必要がある。
なんとなく、「3球目のドライブが入らないからドライブ練習しよう」では練習する意味がほとんど無意味になってしまう(強くならない人はこういう思考で練習をはじめてしまう)。
「3球目攻撃が入らない」というのは、あなたの根本的にかかえている問題が表面上に表れているだけにすぎない。根本的な原因は何なのかを突き止めるべきだ。
以下に良い一例を記載しておこう。どんな課題でもこのように深掘りをすれば、本当に改善すべき点を明確にすることができる。
※例を記載
3球目攻撃が入らないなぁ・・・
なんで、入らないのかな?
ちゃんとした角度でラケットを出せていないからだ!
なんで、ちゃんとした角度でラケットを出せないのかな?
ボールの所まで素早く動けていないからだ!
なんで、素早く動けないのかな?
サーブを打った後に、ボールばかり見て相手を見てないからだ!
これが根本的な原因かもしれない!
このように、「なぜ?」を繰り返すことによって根本的な原因を見付けることが可能だ。
根本的な原因がよく分からないという場合もある。しかしその場合でも、仮説を立てることが重要なのだ。何度も何度も仮説を立てていればいずれ正解が来る。
しかも、何も考えずにひたすら練習をするよりも自分で考える力がつく。考える力がつけば、卓球はどんどんうまくなるのである。
4.練習メニューを決める
ここまで来たらいよいよ練習メニューを決める。
このように、緻密に自己分析を行った後でようやく練習メニューを決めるわけであるから正直面倒くさいと感じる人もいるだろう。
だが、こうした手順を踏むことであなたは初めて「練習をする意味」というものを自覚できるようになるのだ。これができるかできないかで練習の効果は天と地ほどの差にもなる。
あなたにもぜひ、ここまでの過程をしっかりと取り組んでもらいより効果的な自分の練習メニューを組んでみてほしい。
Do~実際に練習する~
2つ目のフェーズは、Do(実行)だ。
最初のPlanのフェーズであなたが自己分析をしながら組んだ練習メニューを、今度は実際にこなしていくフェーズになる。
実際に練習を行っていく上で、筆者が大切にしていたことは以下の3つである。
この点をしっかりと押さえておけば、あなたも今までよりも質のいい練習をこなす事ができる。
1.「自分の感覚を深める」という意識を持つ
上手くならない人には一つの共通点がある。
それは、自分のフォームを必要以上に気にしすぎてしまうと言う点だ。これは、日本の指導者が細かいフォームまでいちいち指導してしまうから選手自身も気にするようになってしまう。
筆者から言わせれば、フォームなんて千差万別で万人に共通した良いフォームなど存在するわけがない。なぜなら、人それぞれ筋力や体の作り、その人の持つ自分だけの感覚は絶対に違うからだ。
実際、筆者の元へ「指導者の言うとおりにフォーム改善をしてから1年間全く勝てない」と相談しに来た選手もいる。極端な話、フォームが汚くたっていいのである。どんなにきれいなフォームでもその人の筋肉にとって最適な状態とは限らないのだ。
これからの指導者は、選手のフォームではなくて「内なる感覚」に目を向けるべきなのである(指導者のあり方については別の記事で書くことにする)。
あなたが練習する上で大切にするべきポイントは「自分の感覚を深める」という点だ。
これは、技術向上の最も簡単で重要なコツになる。分かりやすく言えば、「自分のしっくりとくるポイントを探す」ということだ。
指導者や周りの人間は、「正しいフォームかどうか」を見ることができても、あなたの「内なる感覚」までは表面上では見ることができないのだ。だから、打ち方等の具体的な方法について何か言われた時は、「そんな風に打つんだな~」という参考程度にしよう。
「自分のしっくりとくるポイントを探す」という意識を持つことで、体をうまく使えた時に「あ、今の!」と思える瞬間があるはずだ。
具体的なフォームや打ち方に関しては、あなたの頭の中に良いイメージとしてあれば問題ない。それさえあれば、あとは感覚を深めるという意識で練習に取り組むだけだ。
2.サーブとレシーブから始める練習をいくつかする
これは、試合で勝てるようになるためには必須の項目になる。
よく、練習では上手く見えるのに試合で勝てないといった選手がいるが、それは実戦向きではない自己満足な練習をしているから弱いのだ。
実戦向きの練習をするために必要なのは、練習をサーブとレシーブから始めるということだ。
これは単にサーブとレシーブが上手くなりますよというだけの話ではない。
例えば、同じドライブ練習をするにしても下回転サーブから始めることで「ツッツキに対してのドライブ」と「相手のブロックに対してのドライブ」という2つの球質を同じ練習で取り入れることになる。
さらに、3球目攻撃に向かうまでの動作や反応の練習にもなるから、相当活きた練習になる。
結局実戦では、こういった流れで試合が展開されていくのである。
そもそも、業界全体で「サーブ・レシーブが重要ですよ」という情報が溢れかえっているのに、練習に取り入れない理由などないだろう。
3.練習にランダム性を追加する
練習では、ワンコースやコースの規則性を守って行われることが多い。
これ自体は、全く問題ない。問題なのは、「その練習を通じて、どこにボールが来るのか」が常に分かってしまっている状態だ。
だから、規則性のある練習においても実戦向きの練習にするための工夫が必要になる。
例えば、あなたがバック対バックに課題感を持っていたとしよう。
その時に、もちろんコースを限定してバック対バックを行うわけだが、「相手に好きなタイミングでフォアに送ってもらってそこからオール練習」という動作を入れると一気に実戦向きになる。
バック対バックをしていても「いつフォアに来るかな?」と思いながら練習するだけで、練習の効果は倍増するにちがいない。
ランダムフットワークをしなくても、常にランダム性を意識した練習になるのだ。
※ここ、ポイント!
もちろん、ワンコースで打球感覚を養うことはとっても大切なのですが、様々な球に対応できるようになることは、実戦ではとても大事ですよね!
Check〜練習や試合を振り返る〜
さて、3つ目のフェーズは、Check(点検)だ。
このフェーズでは、取り組んで来た練習や試合の振り返りを行っていく。
多いのが、計画と実行までは行うが点検と後述する改善を行わない人だ。
せっかく練習するのだから、その練習の内容を次に活かせる状態にしなければもったいない。
点検をしっかりとすれば、後述する改善も自ずとできるようになり、次の練習の内容もより素晴らしいものとなる。
筆者が振り返りをする時に活用しているのが、卓球ノートである。これは、書いてる人が多いであろう。が、多くの人はただの感想のようになってしまい卓球ノートの力の半分も活かせていない。
そこでこのフェーズでは筆者が振り返りを行う時の卓球ノートの書き方をお伝えしよう。是非参考にして欲しい。
1.上手くいったプレーを自分の言葉で言語化して、記録しておく
Doのフェーズでは、感覚を深めることが重要だとお伝えした。
感覚を深めていると、「あっ上手くいった!」という瞬間があるはずだ。
卓球ノートを書く際には、その「うまくいった!」という感覚的なものをできるだけ自分の言葉に直してから記録するようにしよう。
書き方は以下のような感じだ。
相手のカーブドライブをブロックする時は、左から右へラケットを動かすと良かった。
カウンターをする時は、ボールの横を捉えるようにして、スイングを小さくすると良かった。
このように、上手くいったプレーを言語化することで、そのプレーをいつでも再現できるようにしておく。
そうすれば、自分の調子が悪い時でも、何故調子が悪いのか自分で分かるようになるから、修正がしやすいのだ。
2.自分の成功のコツと失敗のコツを書く
上達して結果を出すことのできる選手は、やはり自分自身のことをよく分かっている。
「自分はこのようにすれば結果を出せる」という成功のパターンを知っている。同時に、「自分はこのようにしたらダメだ」という失敗のパターンも知っているものだ。
自分の「成功のコツ」と、「失敗のコツ」を知ることで、自分の調子をある程度コントロールできるようになる。
自分の「成功のコツ」と「失敗のコツ」を知る方法
成功のコツは、自らの成功に隠れているし、失敗のコツは自らの失敗に隠れている。
もし、あなたが練習や試合において大きな成果をあげた時は「なぜ、成果をあげることができたのか」を自分なりに考えて、文字にして記録しよう。
反対に、成果が出なかった時も「なぜ、成果が出なかったのか」を文字にしておくのだ。
これらを書き留めておくと、自分の陥りやすい傾向やパターンを把握することができる。
これらが溜まって行けば、「試合で結果を出すにはこうすればいいんだ」と気づく機会が増えていくのだ。
※ここ、ポイント!
結果だけに一喜一憂するのではなく、「なぜそうなったのか」をストックしておけば、後で見返した時にとても役に立ちますよね!
Act~改善点を把握する~
いよいよ、最後のフェーズになる。最後のフェーズは、Act(改善)だ。
ここまであなたが行ってきた「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(点検)」を基に、改善策(あなたがさらに良くなる方法)を考えるフェーズだ。筆者は、このフェーズでも卓球ノートを活用して記録する事をお勧めしている。
さて、改善と一口に言ってもそのアプローチ方法は様々だ。筆者が改善策を考える時に意識しているのが、以下の3つである。
1.技術的な改善
サーブが少し切れるようになった。もっとボールの真下をこするようにするとさらに良いかもしれない。
ドライブのオーバーミスが目立った。もう少し回転をかけて前方に振りながらドライブを打ってみよう。
技術的な改善策を挙げる時に気をつけたいのは、改善点を曖昧にしてしまわないようにすることだ。技術的な改善策を考える場合は、具体的にどうするのかを書くと良いだろう。
2.意識的な改善
練習では集中力に欠けていた。常に本番だと思って取り組んで行きたい。
相手を意識しすぎてしまった。次は、自分の力を出し切ることだけに専念して戦おう。
練習に対しての姿勢や、試合の時の気持ちの持ち方など、1日だけでも多くの事を学ぶ機会があるはずだ。こういった意識的な部分をないがしろにしてはいけない。
自分の弱さや、甘さを少しでも感じていればそれを常に正していくようにしよう。
3.戦術的な改善
バックに突っつかれた時、ツッツキしかえしてしまった。もっと積極的に攻撃するようにしよう。
バック対バックで先にフォアで仕掛けることができず、後手に回った。次は先手を取りに行こう。
サーブが同じコースに偏ってしまった。もっとサーブを散らして相手を動かそう。
試合やゲーム練習の後には、このような戦術的な部分でしっかりと反省する必要がある。反省を繰り返すことで、戦術はすこしずつ磨かれていくのだ。
3つの改善点を把握した後は、Plan(計画)に戻ってメニューを組む
ここまで来たら、PDCAサイクルの「P」に戻ってメニューを組もう。次にまたPDCAサイクルを周るときには、前回よりもレベルアップしたあなたがいるはずだ。
PDCAサイクルをうまく回すコツは、とにかくサイクルをまわし続けることである。たった一度だけ意識してまわしても、成果は表れないだろう。
まぁ、プランに関しては頻繁に変えすぎるのもよくないだろうが、練習でフィードバックを得たらそれをもとにプランを変えていけばよい。
実行と反省を繰り返して何度もサイクルをまわしていれば、数週間後、数カ月後、数年後により強くなったあなたに出会えるはずだ。
是非、あなた自身が成長している過程を楽しみながら、理想のプレーを追い求めて欲しい。
まとめ
いかがでしたか?
計画し、実行し、反省し、改善する。やっている事は非常にシンプル。
でも、多くの人はただ毎日なんとなく練習してしまっているでしょう。これでは、どうしても限界が見えて着てしまうのは必然です。
このPDCAサイクルは、もともとビジネスで使われる概念ですが、スポーツにもすごく応用できると思って書いてみました。僕自身この方法で上達してきたので、自信を持ってお勧めします。
ちなみに、PDCAのどれかが抜け落ちたらダメってことはないので、堅苦しく考えないで自分に合いそうなものを是非取り組んで下さい!
※卓球ノートは僕の一番のお勧めの上達ツールですね。なにかメモ書き程度でも役に立ちますよ。